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白金高輪駅の硫酸事件 逮捕の容疑者、一方的に恨み募らせたか - 毎日新聞 - 毎日新聞

パトカーの赤色灯=曽根田和久撮影 拡大
パトカーの赤色灯=曽根田和久撮影

 東京都港区の東京メトロ南北線白金高輪駅で24日夜に硫酸をかけられるなどした男女2人が重軽傷を負った事件で、警視庁捜査1課は28日、指名手配していた静岡市葵区二番町、大学生、花森弘卓(ひろたか)容疑者(25)を沖縄県内で発見し、傷害容疑で逮捕した。

 捜査関係者によると、重傷を負った都内に住む会社員の男性(22)は、花森容疑者が以前通っていた沖縄県内の大学の後輩で、同じサークルに所属していた。男性は「思い当たるトラブルはない」と話しているが、花森容疑者が最近、男性を捜していたとの情報もあるという。同課は花森容疑者が一方的に恨みを募らせて男性を狙った可能性があるとみて調べる。

 逮捕容疑は24日午後9時5分ごろ、同駅の地下2階から地下1階に向かう上りエスカレーターに乗っていた男性に対し、追い抜きざまに硫酸をかけ、両目の角膜損傷のほか、顔や肩などをやけどする全治約6カ月の重傷を負わせたとしている。「今は話したくない」などと容疑の認否を留保しているという。男性の後ろから来た女性会社員(34)も転倒した際に右ひざに硫酸が付着してやけどした。

 同課は、防犯カメラ映像を次々とたどっていく「リレー方式」で花森容疑者の足取りを追った。花森容疑者は24日に1人暮らしとみられる自宅を出て、同日午後に男性の勤務先が近くにある赤坂見附駅に向かった。その後、男性の後をつけて事件を起こし、品川駅から東海道新幹線に乗って同日夜に帰宅したとみられる。

 25日午後1時ごろには、JR静岡駅に姿を現し、電車で名古屋方面に移動。同日中に中部国際空港から飛行機で那覇空港に行き、バスで宜野湾市内の友人男性宅に向かったという。

 28日朝、友人宅近くを捜索していた沖縄県警の捜査員が中城村(なかぐすくそん)内の路上で花森容疑者を発見。名前を尋ねると、当初は「スナガワです」と偽名を答えたが、その後、本人と認めたため、午前10時55分ごろに身柄を確保した。花森容疑者は両腕と胸に軽いやけどがあり、事件で負傷したとみられる。

 以前、花森容疑者と同じ沖縄県内の大学に通っていたという男性は「大学1年の後期ごろから姿をあまり見せなくなり、その後、中退したと聞いた。普段はおとなしくて1人でいることが多かった」と話した。【最上和喜、鈴木拓也、木原真希】

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