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三菱重工、H2A打ち上げ データ中継衛星を搭載 - 日本経済新聞

三菱重工は基幹ロケット「H2A」43号機を打ち上げた(29日、鹿児島県の種子島宇宙センター=三菱重工提供)

三菱重工業は29日、国産基幹ロケット「H2A」43号機の打ち上げに成功したと発表した。種子島宇宙センター(鹿児島県)から午後4時25分に打ち上げ、約30分後に衛星を分離し目標の軌道に入った。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)による地球観測衛星の観測データを地上に高速転送する中継衛星と、災害時などの情報を早く収集できるようにするため、内閣衛星情報センターの「データ中継衛星1号機」を1つの衛星として搭載した。

今回の打ち上げ成功により、H2Aロケットの成功率は97.7%となった。国際水準の95%以上を維持する。同日会見に出た阿部直彦防衛・宇宙セグメント長は「(次世代機の)『H3』に向けて一つ一つリスクを潰していきたい」と述べた。

高度約3万6000キロメートルの静止軌道にのせる衛星はJAXAと内閣衛星情報センターの2つのミッションを担う。

基幹ロケット「H2A」43号機に搭載したJAXAの光衛星間通信システム「LUCAS」=JAXA提供

JAXAの「光データ中継衛星」は、レーザー光技術を使って地球観測衛星と地上の基地局を中継する。観測衛星と基地局を直接結ぶ場合に比べて、通信可能な時間を約9倍の1日平均9時間にのばす。

また、センサー性能の向上に伴うデータの大容量化にも対応し、高速でデータを送れるようにする。JAXAの山川宏理事長は、今回の衛星打ち上げにより「国土管理や気候変動対策などに貢献できる」と話した。

JAXAは2021年度以降に低軌道に打ち上げる予定の地球観測衛星「だいち3号」などでの技術実証を計画している。衛星間光通信の技術開発は欧州が先行するが、日本は汎用性が高い光ファイバー技術を応用し、国際標準化も狙う。

内閣衛星情報センターはすでに衛星による情報収集を実用化している。今回の「データ中継衛星1号機」は北朝鮮のミサイルの発射や災害被害といった情報を収集した衛星の中継を担う。

政府は28年度以降に情報収集衛星を10基体制にする計画で、今回はそのうちの1基となる。データ中継衛星としては初の打ち上げとなる。

菅義偉首相は29日、政府の情報収集衛星などの観測データを地上に転送する中継衛星を搭載した「H2A」ロケットの打ち上げを受けて「情報収集衛星を最大限活用し、我が国の安全保障および危機管理に万全を期す」と強調した。

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