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宇宙航空研究開発機構(
SLIMは同日午前0時、エンジンを逆噴射して減速し、最終飛行を始めた。撮影した月面画像などを解析して現在位置を推定し、軌道を自動修正。目的地上空に到着すると、同20分、垂直に降下して着陸した。通信が確認されたため、「ソフトランディング(軟着陸)には成功」と評価された。
月面探査は、いかに狙った場所に正確に着陸できるかが成功の鍵を握る。SLIMは今回、世界で最も精密な誤差100メートル以内の「ピンポイント着陸」の実証に挑戦。成否は、データ解析を経て約1か月後に明らかになる見通しだ。
また、SLIMは着陸直前に2機の小型ロボットの分離に成功し、通信機能を持つ1機からの電波が確認された。ロボットは着陸した機体を撮影し、画像データを地球に送信する。
一方、機体の太陽電池で発電ができないトラブルが発生した。SLIMは傾斜地でも着陸できるよう、機体を傾けながら後部の脚で接地後、倒れ込むように前部の脚でも接地する2段階着陸を行う。この際、機体が予定外の姿勢となり、太陽電池パネルが太陽へ向かなくなった可能性がある。
太陽の向きが変わって太陽電池が復旧する可能性もあるが、発電できなければ、着陸後に計画された岩石の組成の分析が出来なくなる恐れもある。SLIMには元々、地球に帰還する機能はなく、太陽の熱で着陸後数日の活動しかできない。
月着陸の評価について、JAXA宇宙科学研究所の国中均所長は同日の記者会見で「ぎりぎり合格の60点とさせていただきたい」と話した。
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