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週刊地震情報 2022.1.23 22日(土)日向灘でM6.6の地震 未明に震度5強の強い揺れ - ウェザーニュース

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2022/01/23 10:09 ウェザーニュース

この1週間で国内で観測された地震回数は前週に比べると多い水準です。

日向灘で発生した大きな地震とその余震活動が大部分を占めています。この期間に発生した震度3以上の地震は6回で、全て日向灘を震源とする地震です。(1月17日~1月23日10時の集計)

国内:大分市や延岡市で震度5強を観測

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日向灘の地震

22日(土)1時08分頃、日向灘を震源とするマグニチュード6.6、深さ45kmと推定される地震が発生しました。この地震で大分県大分市、佐伯市、竹田市、宮崎県延岡市、高千穂町で震度5強、高知県宿毛市、熊本県阿蘇市、大分県臼杵市などで震度5弱を観測。九州各地から中国、四国の一部にかけての広い範囲で震度3以上の揺れに見舞われています。

日向灘を震源とするマグニチュード6.5以上の地震は1996年12月3日のマグニチュード6.7、最大震度5弱の地震以来、約25年ぶりです。地震のメカニズムは西北西ー東南東方向に張力軸を持つタイプと解析されています。

プレート内部で発生した地震か

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日向灘の地震活動

日向灘ではユーラシアプレートの下にフィリピン海プレートが沈み込むことにより、プレート境界型の地震を含め大きな地震が度々起きています。1960年以降だけで見ても、1984年にマグニチュード7.1、1968年にマグニチュード7.5、1961年にマグニチュード7.0とマグニチュード7クラスが3回発生し、これらの地震では津波も発生しました。

今回の震源はプレート境界に比べると少し深い所で起きました。沈み込んでいるフィリピン海プレートが引っ張られることによって発生した地震とみられます。

政府の地震調査研究推進本部は今後30年以内に、マグニチュード7.6前後と想定される日向灘プレート間地震の発生確率を10%程度、ひとまわり小さいマグニチュード7.1前後と想定される地震の発生確率を70~80%としています。今回よりも大きな地震がいつ起きてもおかしくない地域ですので、今回の地震をきっかけにして、改めて対策の確認をしておくと良さそうです。

活動は収まる傾向も油断せずに

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トカラ列島近海の地震活動は4日(土)の昼頃から活発化しました。震度1以上の有感地震の回数は10日(金)24時までに277回に達しています。

日別の地震回数を見ていくと5日(日)が最も多い87回。震度5強の地震が起きた9日(木)は36回とやや多かったものの、10日(金)は5回に留まり、活動全体としては収まる傾向です。

ただ、同じ震度5強の揺れが起きた2000年10月の活動の際は、活発な状態が落ち着いてから約3週間ほど経ってから震度4の地震が発生しました。もうしばらくは強い揺れに対して注意をしておく必要があります。

国内:トカラ列島で4日(土)から群発地震

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4日(土)昼頃から鹿児島県奄美地方・トカラ列島近海で地震が多発しています。4日(土)12時32分頃のマグニチュード2.9、最大震度1が最初の有感地震で、19時48分にはマグニチュード4.0、最大震度3の地震が発生しました。その後も地震は続き、5日(日)10時の時点で有感地震は87回、そのうち震度3の地震は6回を数えています。

トカラ列島近海ではこうした群発地震がしばしば発生しています。最近では今年4月9日頃から地震が頻発し、4月10日には1日で100回を超える有感地震が起きました。活動のピークだった10日から12日の3日間で、有感地震は229回、震度3は15回、震度4を5回観測しています。

過去の活動から活発な状況は数日程度続くケースが多く、最大震度は4~5強程度に達する可能性があります。しばらくは強い揺れに対する注意が必要です。

世界:アフガニスタンでM5.3 震源近くで強い揺れ

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世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)

アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は3回発生しています。最も大きな地震は日向灘で発生したマグニチュード6.3(気象庁の解析はマグニチュード6.6)です。

注目の地震は日本時間の1月17日(月)夜に発生したアフガニスタンの地震です。地震の規模はマグニチュード5.3、深さは約19kmと推定されます。

この地震では震源近傍で改正メルカリ震度階級でV~VIの揺れがあったとみられ、国際連合人道問題調整事務所によると、家屋の倒壊などによって20人以上の方が亡くなりました。

アフガニスタンはプレート境界に近い東部で地震が発生するケースが多く、今回のような西部ではあまり地震が起きていません。今回の震源近くで1960年以降にマグニチュード5以上の地震の記録はなく、建物などが揺れに対して脆弱だったために規模の割に大きな被害につながった可能性が考えられます。

ギリシャ・クレタ島でM6.0の地震

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日本時間の27日(月)の午後、ギリシャのクレタ島付近を震源とする、マグニチュード6.0、深さ約9kmの地震が発生しました。地震のメカニズムは北西ー南東方向に張力軸を持つ正断層型と解析されています。

震源が10km未満と浅く、陸域の地震だったため震央周辺では改正メルカリ震度階級のⅦ程度の揺れがあったと見られます。厳密な比較はできないものの、日本の気象庁震度階級に換算すると震度5弱程度に相当する揺れです。震央の近くでは建物の倒壊が発生し、現地当局によると亡くなった方もいるとのことです。

ギリシャ周辺はユーラシアプレートとアフリカプレートに挟まれており、その間にはアナトリアプレートと呼ばれるマイクロプレートがあるとされています。これらのプレートの運動により、幾度となく大きな地震の被害に見舞われています。

クレタ島周辺でもマグニチュード6を上回るような地震が時々発生し、最近では1994年にクレタ島北岸でマグニチュード6.1、1959年には今回と同じように島の陸域を震源とするマグニチュード6.1の地震が起きました。

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参考資料など

※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。

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